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ミーコワールド

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やさしさって?



  <やさしさって?>

やさしいことはいいコトだっ!

でもでも本当にいいことかなあ?

と思う私は哲学者?

「やさしい」と聞くとみんなは何を思い浮かべるだろうか?

自分のおかあさん、それとも昔の彼氏? 

いいえ自分の伴侶?

イヤイヤ環境問題?

それぞれに思い浮かべる事は違うでしょう。

先に思い浮かべるのは自分にやさしくしてくれた人の事ではないでしょうか。

自分がやさしいかどうかと問う人は少ないと思う。

でもそれを自分に問うてみるのは大切な事と思う。

ならばならばと問うてみると・・・・。

いろんな「やさしさ」がある中で全部を語るのは非常にむつかしい。

ここでは「生きる」という事において「やさしいとは」という事を考えた。

何がむつかしいって「生きる」こと程むつかしいコトはない。

ただ与えられたものだけを消費して生きていくだけなら

そう悩む事はないかもしれない。

それでも悩みは生まれてくるだろう。

それを仏様は「煩悩」とおっしゃったらしい。

生きるという事の原点は「食べて行く」という言葉で語られる。

その食べていくという事が一番むつかしいという事なのだ。

食べて行くだけなら何とかなるだろう。

ところが少しでもいい思いをしたいとか、いい服が欲しいとか、

旅行にも行きたいとか思うと並大抵ではなくなってくる。

「食べて行く」という事において充分に出来ない人だって

まだまだいるのは否定できない。

運よく力のある知り合いができたとか、たまたま思わぬ遺産が

転がり込んできたとか、そんなめったにない事にでも出くわさない限り

四苦八苦の人生になってしまう。

子供の頃からの友達がある時こんな話をしてくれた事がある。

その話を紹介しよう。

子供はお腹がすくと親に「お腹がすいた」と言う。

親は食べ物を与えるだろう。

与えられた子供はそれを食べて空腹を満たすだろう。

お腹が膨れたらつい先ほどまでのひもじさを忘れてしまう。

そして時間が経ってお腹がすくと又「お腹がすいた」と言うだろう。

親は又与える、それを繰り返して月日が過ぎる。

大きくなった子供は与えられたものがどのようにして与えられたのかを

知らないで成長したならばどうなるのか。

会社へ勤めるようになっても会社が給料というものを与えてくれる、と

無意識のうちに思い込んでいるだろう。

与えられたものは誰がどのようにして与えられたのかそこの所を

しっかり身につけておかないと永久に与えられるものと思うだろう。

しかし、子供の頃から自分に与えられたものがどのようにして与えられたのか

しっかり教育されて成長した子は自分の働きを自分で自覚できる。

要するにパンは与えただけならそれだけの事でいつまでも誰かが

与え続けなければ生きて行けない人間が育つ、という訳だ。

だが、しかし、最初に与えた時からその与えたものを次に手に入れるには

どのようにしなければならないかを教育しておけば手に入れる方法を

身に付けて自分で手に入れようと努力するだろう。

そして作り出す方法を考え、身に付けようとするだろう。

与えるだけの人は一見やさしい人に見える。

しかし本当にそうなのか、という話なのだ。

まして親や先生となると尚更この問題に直接かかわっているのである。

母親なり父親が苦労して働いているからこそ子供達には与えられる、と

いう事をしっかり身につけさせていないと自分の置かれている境遇が

見えないのではないだろうか。

すると責任のある立場でやさしくするという事は厳しさも

伴ってくるものだ、という事になる。

時と場合にも拠るだろうが与えるだけが決して「やさしさ」ではないという事なのだ。

心の葛藤があり、親子の葛藤があり、上司、部下との葛藤があり、

その中でお互いが向上し、いたわり合いの情が生まれる、という関係が

やさしさではないだろうか。

互いに支えあって生きる、情というものが生まれてきて初めて

「やさしさ」を感じ合えるのではないかと思う。

与えて貰う為に最もらしい事をいう。

特に行政に対してそんな人が多いように思うのは私だけであろうか。

「貰えるのだから貰ったらいい」そんな台詞をどれだけ聞いてきた事か。

そして本当に与えられなければならない人には与えられなかった。

そんな場面もどれ程見てきた事か。

努力もなしにかまびすしく言った人に与えられて、言う暇もない人、

言う場のない人には与えられない、そんな社会で本当に

「やさしい」という言葉が育つのだろうか。

社会が育たなければ人も育たない、と私は思う。

又、人が育たなければ社会も育たない。

資質のいい子が育たなければ何も育たないと思う。

「七種施」守屋弘斎僧正へ


 


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